2021年05月13日

祭り総代に感謝、合掌2

深川祭り総代の長老、野沢さんが亡くなったという知らせが来ました。

水かけ祭りの楽しさ、江戸の粋、帯の締め方、手ぬぐいの巻き方まで教えてくれた方でした。

何しろ武勇伝がすごくて、

「神輿渡御の時に永代橋の上で大喧嘩になっちまって、俺も石淵も一人で10人ぐらいずつ相手にして、五〜六人は橋の上から投げ込んで、最後は両腕に二人抱えて隅田川に飛び込んだけど、みんな良く生きてたよなあ。」(橋から水面までは15mあります)

「神輿が通るのにじゃまだってんで、都電に神輿ぶつけて止めたことがあって、神輿に傷があるのはその時のだ。あれは後でもめたな。」

「祭りの寄付金が少ねえ喫茶店の壁に神輿ぶつけて穴開けたことがあったけど、そこは文句は来なかった。」

祭りの当日、神社の前で神輿の到着を今か今かと待っていると、タレントの安岡力也さんが歩いてきて「野沢さん、お世話になってまーす。」と声を掛けます。「世話なんかしちゃあいねえよ。」とイラっとした返事。

すると次に元外務大臣の柿沢こうじ衆議院議員が、「や〜、野沢さん、よろしくお願いしまーす。」と手も握らんばかりに駆け寄ってくる。「ウッセーんだ、あっち行ってろー。」と怒鳴り散らす。

ある日、亀戸天神祭りの総代さんと飲んでいたら「深川に住んでるなら野沢さんて知ってるかい?」と聞かれ、「あの人は錦糸町で喧嘩が一番強かったんだ。中学生のころからヤクザと喧嘩してボコボコにしてた。石原裕次郎のボディーガードもやったことがあるんだ。」武勇伝は深川だけじゃあない。

「体育館の屋根の上から飛び降りたりする悪ガキだったけど、俺が神輿を担いでくるのを親はいつも遠くから立って待っててくれた。この歳になってもあの角に、いまだに親が立って待っててくれるような気がするよ。」

お祭りで神輿に両手を合わている年寄りは、きっと祭り好きだった家族をそこに見ているのだと思います。

2020年はオリンピックと本祭りのはずだったのですが、コロナで中止となりどちらも見られず無念かもしれません。

ご冥福をお祈りいたします。合掌

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