低温殺菌牛乳

2011年08月06日

牛乳の殺菌方法4

LTLT牛乳について質問が来ましたので、少し解説。

牛乳の殺菌は60℃で30分間、あるいはそれと同等の殺菌をしなければならないとされています。

低温殺菌牛乳LTLTローテン、ロングタイムがそれで、殺菌状況は97%以上で若干の酵素や風味が残るといわれています。

HTST脂肪球もつぶれない一番自然に近い殺菌方法で、魚にたとえればサシミです。

次に高温短時間殺菌HTSTハイテン、ショートタイムは80℃20秒ですが原乳が清浄なほど時間も温度も下げる事ができます。

マザー牧場など観光地で飲む牛乳やソフトクリームはこれです。

UHT普段普通に飲んでいるのは超高温短時間殺菌UHTウルトラハイテンで、120℃2秒。

高熱の金属パイプの中を瞬間的に通して殺菌します。そのためにホモジナイズ脂肪球をつぶしておきます。

これは魚でいえば、焼き魚になります。99.9%の殺菌になります。

LL海外からの輸入で過去に問題になったのはLLロングライフ牛乳で、140℃2秒殺菌で真空パックされます。

これはまさに滅菌といえる99.999%になり、常温で保存ができる。

牛乳とは別の保存食品、魚なら干物かカツオブシといえるかも。

でも離島や遠隔地への輸送に有利、牛乳の生産調整にもなるとされ、普及しています。

殺菌方法とは別に乳脂肪の調整%によっても分類されますが、安心安全でおいしい牛乳が飲みたいですね。

2011年08月04日

水より安い牛乳に思うこと3

牛乳那須山麓のグリコ乳業の牧場見学をしたことがあります。

アメリカでは牛乳の細菌数の基準が1mlに10万個以下となっていますが、日本ではどこでも生乳で3万個以下という徹底した衛生管理がされています。

また低温殺菌牛乳のための生乳はさらに1万個以内という基準になっていますが、なんとこの那須ではどこで搾乳された生乳でも1万個以下、どれでも低温殺菌牛乳の原乳になりえるという衛生管理。

そのためにはストレスを与えない育て方で、搾乳した生乳は空気にふれず、トラックで揺らす事もせず、数時間のうちに工場へ送られ加工されます。

牛7たとえ絞ったそのままの生乳を飲んでも、アメリカの牛乳よりも安全だそうです。

でも昔、北海道では生産過剰調整のため、牛乳に食紅を混ぜて畑に流したこともあり、その時は涙も一緒に流したそうです。

それほどに苦労し年中休みなしで働いて、出荷した牛乳が水よりも安いとは何事か、と農家の方は嘆いていました。

牛6年収は800万円だそうですが、両親と3人で働いていると考えると、一人300万円にもならない。

これでは農家に嫁は来てくれない。

放射能問題もいつまでも終息せず、メーカーの買い上げ値も上がらない、こんな状態が続いていては、こんなに高水準の酪農も後継者がいなくなるでしょう。
記事検索
月別